書道だいすき 第72話
『隷書の傑作!!曹全碑!!』 古典臨書シリーズvol.10【書道】

Shodo Daisuki – Episode 072

前回の『礼器碑』から時が経つこと30年!!
隷書の傑作中の傑作!!曹全碑をお送り致します!!
隷書といえばこれ!!と言う方も多いのではないでしょうか!?
美しく可憐な隷書を是非堪能下さい!!

書道だいすき 第72話 動画の概要

しまうち先生による中国書道の古典臨書シリーズの講義内容です。
今回は「曹全碑」という名碑について解説されています。
講義は最初に曹全碑の歴史的背景から始まります。
西暦185年に建てられたこの石碑は、当時の役人「曹全」さんの徳を称えるために作られました。
興味深いことに、完成お披露目前に土中に埋められ、約1400年後の16世紀末に発掘されました。
この偶然により、雨風にさらされることなく当時の美しさが保存され、現在は中国の博物館に保管されています。

しまうち先生は曹全碑を「隷書最後の花」と表現し、同じ隷書体の代表作である「礼器碑」と比較しながら解説しています。
曹全碑は礼器碑より約30年後に作られ、より洗練された美しさを持っていると評価しています。
講義の中で、しまうち先生は曹全碑を臨書する際に使用した道具について詳しく説明しています。
筆については、テキストに基づき「穂先が効き、あまり肉のない筆」を選び、兼豪筆を使用したことを述べています。
紙については、にじまない紙と墨が食い込む紙の両方を試した結果、墨が食い込む紙の方が収筆部分の表現に適していると判断しました。
墨は濃墨を使用しています。

臨書する文字の選択については、横画が多く含まれる6文字を選んだ理由を説明しています。
特に同じ文字でも形が異なる点に注目し、曹全碑の特徴として文字の前後関係によって書き方を変えていることを強調しています。

最後にしまうち先生は実際に曹全碑を臨書し、その難しさと魅力について語っています。
特に起筆から収筆に至るまでのスピード感や線の生き生きとした表現の難しさを指摘し、訓練の重要性を述べています。
最後に、視聴者に曹全碑の臨書に挑戦することを勧めています。

Sutra Copying Set

Youtube 書道だいすき 第72話

しまうち 00:00
モーツァルトのようだと
土の中に埋められてしまいます。
漢隷最後の花、この曹全碑の魅力というのを発揮できるので、
はい、どうも書道だいすきしまうちです。
中国書道書をリアルに体験していく、古典臨書シリーズのお時間です。

しまうち 00:18
今回も前回に引き続き名書です。
その名書の中でも、名品と言われる曹全碑をお送りさせていただきます。
このような例え話があるんですね。
礼器碑をベートーベンとするならば、曹全碑はモーツァルトのようだと、おお、

しまうち 00:35
なるほどっていうふうに思うところあるんです。
ですので、そのような部分。比較して紹介させていただきたいと思います。
本動画では、まずは曹全碑について楽しく解説させていただいた後、曹全碑を書くにあたっての道具の選び方について、

しまうち 00:52
解説させていただきます。
そして最後はしまうちが、また臨書させていただくという流れでお送りさせていただきます。
この動画チャンネルでは、書道に限らず、書くに関係することはどんどん紹介させていただきますので、チャンネル登録、

しまうち 01:06
そしていいね!ボタンをポチッと何とぞよろしくお願いいたします。
それではいってみよう!
西暦185年。これは当時の役人曹全さんの徳を唱えるために建てられた石碑で、前回の礼器碑と同様に裏面にはこの石碑を建てるために、

しまうち 01:26
お金を出した人たちの名前と金額が彫られています。
実はこの曹全碑なんですが、完成お披露目前になぜか土の中に埋められてしまいます。
それから約1400年後の16世紀末に出動するんです。
そしてこんにちは中国の博物館に保存されているということです。

しまうち 01:47
人目につかず、雨風にさらされることがなかったので、結果的にはですよ。
その当時の美しさというのを保つことができ、我々が認証するにあたって、トップクラスの美しい線というのを見ることができている皮肉なもんですが、

しまうち 02:04
そういう恩恵を受けているということですね。
日本にも早くからこの日の脚本というのが伝えられて江戸時代の例。
その基礎というのはこの曹全碑だったと言われて、せっかくなので、ここで隷書の代表作と言われる乙瑛碑礼器碑と比較してみましょう。

しまうち 02:24
どうですか?皆さん、同じ隷書でもこの違いというのはよくわかりますよね。
前回礼器碑臨書しましたよね。
それで体験したこともあるんですけれども、その乙瑛碑というのがですね、非常に重厚感があって、そして懐が広いとはこういう礼書もあるのかというふうにね。

しまうち 02:44
思わせていただくぐらい違いはありますよね。
そして、今回の主役である曹全碑なんですが、そのなんともしなやかな美しさ。
これはやはりこの2つと比べますと、かなり洗練されているのではないでしょうか。
それもそのはず、

しまうち 03:01
この曹全碑というのは、この2つの作品から遅れること約30年後に作られています。
都会ではなく地方そこで書かれていますので、いわゆる乙瑛碑礼器碑の伝統的な部分をしっかりと受け継いで、この洗練された作品が出来上がったと推測されます。

しまうち 03:22
そして、この曹全碑なんですが、漢隷最後の花というふうにね、表現されているこれ、皆さん、なんとも粋な表現ではないですか?
花に例えるんですよ。
いや、これはやられましたね。それでは最後の花と言われる粋な曹全碑、

しまうち 03:41
しまうち。これから僭越ながら臨書させていただきます。
それでは早速、曹全碑の臨書に入りたいと思います。
その前に、まずは今回、しまうちが曹全碑を書くにあたって、使った道具の説明からさせていただきます。
まずですね、筆なんですが、

しまうち 03:59
やはりテキストを読み込んでみますとコシがあって、穂先が聞き、あまり肉のない筆で書いたらどうだろうかというふうに書いてあるんですね。
そして、具体的に今回、しまうちどのようなものを試したかといいますと、この3種類を試したんですねというの。

しまうち 04:16
は前回礼儀秀しまうちは兼豪ではなく羊豪筆を使いました。
その用語の大きなサイズと小さいサイズ、これを試してみました。
そして次に兼豪筆この一番右側になるんですが、この兼豪でも試してみたんです。
で、結果的に今回に限り、

しまうち 04:38
ましてはこの兼豪筆でこれを選んで書きました。
これには理由がありまして、まずですね、用法具でこれを使ってみたんですけれども、思いのほかこの騒然比というのは、ある程度スピードもいったのではないか、いわゆる運筆スピードですね。

しまうち 04:56
そうなると、この両方ででは少しね線がポテッと見えてしまったんですね。
まあ、いわゆるしまうちの技量が追いつかなかったで、その点、兼豪筆ですと記述をバシッと決めますと、ある程度そのバネを生かして書くことができましたので、

しまうち 05:10
おっ、今回はちょっとこの兼法室で行こうやないか、いわゆるテキスト通りにはなりましたが、それを使ってみました。
そして今度この紙なんですけれども、前回の礼儀と同じ少し墨が入るかというのがにじまない紙で、臨書する方が良いと、

しまうち 05:28
よく皆さん聞きますよね。
で、今回、しまうちもこの曹全碑をにじまない紙で臨書したんです。
そうするとですね、確かに筆滑りはよく書きやすいんです。
ただ、この終筆なんですね。
こういった終筆部分がどうしてもにじみが少ない分だけ筆が滑ってしまう筆が滑ってしまうと、

しまうち 05:47
この執筆の収まりが雑になってしまう。
そういうのもあったので、今回やはり墨が入って点が食い込む方がいいなというふうにしました。
この当然比を書くにあたって、どうも紙でですね。
ああ、見栄えが悪くなったなぁとか終筆が収まりが悪い。

しまうち 06:04
ああ波磔も何か浮いているようになってしまっている、というふうに感じられる方は、一度にじむ紙を試されるのも良いかもしれない。
そして次に墨なんですが、前回同様に濃墨を使いました。
これ、墨液なんですが、その方がですね、

しまうち 06:19
しっかりと線が紙に食い込みまして、書きやすかったっていうのもあるんですが、この濃墨もですね、いろいろ。
文字今回吟味したんです。
少し今回こだわりを持ったこぼれ気と同じですが、使っておりますので、その点もポイントでございます。

しまうち 06:34
そして今回この6文字をなぜに選んだのかといいますと、皆さん見てください。
この文字、何か気づくことございますか?そうなんです。
ほとんど横画なんですね。
横画ばかり入っている横画が多いのを選んだというのは、

しまうち 06:52
1文字につきまして1波勢・1波磔でしたよね。
ですので、この通りしっかりと1文字の中に1つの波勢・波磔がありますよね。
しかし、その前に普通の横画がたくさんあるんですね。
そしてこの横画というのは波がある横隔もあ、

しまうち 07:13
いますけれども、基本的にはすっと書かれておりまして、いわゆるこの破勢のある横画、それを強調させるための役割もあるんですね。
ですので、しっかりとこの破勢だが、ある横画につきましては、忌避部分も大げさになっておりますね。

しまうち 07:32
そういったところもポイントでございます。そして、あとこの文字選んだのには理由がありましてですね、なんとしまうちこの宅ですね。
この波勢、1つの書き方だとばっかり。思ってたんですねけど、そうではなかったんですね。

しまうち 07:47
今回面白いですよ。この畑にしましてもこの波勢、この波勢この波磔また最後はこの辺どうですか?
皆さんお気づきですか?どれも形が違うんですね。
ちょっと例に書いてみましょうか?見ていただいて分かる通り、今起筆の方法もそうでしたけれども、

しまうち 08:08
この収筆部分ね、これもやはり違うんですね。
ですので、こういったところ、しっかりと表現できるようになれば、まだまだですね。
この曹全碑の魅力というのを発揮できるのではないでしょうか。この曹全碑も礼器碑と同じで、

しまうち 08:25
文字の前後を鑑みて、同じ文字であっても書き方を変えて書いていたというんですから、当時からすごい必死!というのはたくさんいたということですね。恐るべしですね。
今回、清書におきましては、その部分も含めてしっかりと表現してみたいと思います。

しまうち 09:41
はい。かけました。
いやね、これね、何度かいても、この1枚を1発で仕上げるというのは緊張もしますし、難しい、そして当たり前なんですが、この炭というのもその時、時によりやはり粘りというのもありますので、難しいものですけれども、

しまうち 10:03
しまうち今持てる力は精いっぱい表現できたかなというふうに思います。
今回この隷書を書いた、特にこの送電比を書いて思ったことはですね、おそらく、かなり隷書に慣れた方は、もう起筆を当てた瞬間ですね。
そして、収筆の波磔に向かってのイメージというのが、

しまうち 10:21
古典を見た瞬間にわかると思うんです。
この記述はこのように入っている。こういうような蔵鋒をしている。
そして最後の波勢は、このように払っているというふうにね。
そこがまだしまうち判断がつきにくい起筆を決めて、いわゆる蔵鋒を決めて波磔に行くまでのスピード感。

しまうち 10:40
これが出てくるともっと!もっと線というのは生きてくると思います。
ですので、そういった意味で生きたせというのはなかなか難しいものですね。
これはやはり訓練あるのみですね。以上です。
いかがでしたか?今回は隷書の名品曹全碑を隷書させていただきました。

しまうち 11:01
作者の名前もわからないこの石碑が中国にとどまらず、日本にも多大な影響を与える名品となった。
この曹全碑、いや、なかなか素晴らしい作品であるのは間違いなかったです。
思い起こすと、確かに高校生の大会などでもいろいろと曹全碑

しまうち 11:19
書いてあるなあというのは分かっていたんですけれども、いざ実際、しまうちこのように臨書してみますと、いや!ああ、思った以上に難しかったけれどもね、ものすごく印象に残った作品の1つになったことは間違いないですので、

しまうち 11:32
これからも機会を見つけて、この曹全碑臨書していきたいと思いますので、ぜひとも皆さんこの曹全碑はやってみる価値あると思いますので、一緒にこれからも取り組んでいこうでは。
それでは書道大好きしまでした。
いやあ、

しまうち 11:48
暑い夏到来でございますね。
書道大好きな熱もどんどん上げていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
それではまた来週お会いしましょう!

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