茶掛け仕立ては、純日本式の掛軸の形式です。もともと茶室や茶席に飾る掛軸として使用されていた形式です。
茶会が開かれる季節や、茶席や茶会の趣旨などによって作品の内容を変えて飾られることが多く、作品に重きを置いた表具とされていたため、表具は脇役と考えられていました。
そのため、柱幅を極端に狭くして、作品が前に出る様な形式となっています。
半切作品の仕上がり丈は約210cmです。
日本独自の表装形式を大和表装とも呼び、【真】【行】【草】の三つの形式に分類されます。
【真】【行】【草】とは、様式を三段階に表したもので、様々なジャンルで使用されています。
真は本式を指し、最も格式高く整った形式を表し、行は本式を少しくずしたもの(真と草の中間)、草は本式を最もくずした形式(真の対極に位置する破格の形式)として位置づけられています。
また、【真】【行】【草】それぞれの中にも三段階の「真」「行」「草」が存在します。
【草】には、【草】の「行」、【草】の「草」の二段階の形式があります。
(※【草】の「真」の形式はないものとして認識されています。)
茶掛け仕立ては、【真】【行】【草】の中では【草】にあたり、仏表装を本式とする【真】を最もくずした形式です。仏教に関わる書画には不向きです。
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