創業文化2年(1805年)、墨運堂は長い伝統の上に新しい素材・技術・知識・知恵を取り入れ、常にお客様のニーズにこたえる商品を作り続けてきたメーカーです。
特に代表商品となる「玄宗」は樹脂系の墨液ながら、固型墨の書き味・のび・紙への浸透性・表具性をすべて備えた商品として、今日まで多くの方に愛用されてきました。
何百年もの墨造りの伝統を守り続けて作られる墨はもちろん、墨液においても、日々新しい可能性を追求し、創造していく奈良随一のメーカーです。
書遊Onlineでは墨運堂商品を常にお買い得価格で提供しています。
進化し続ける、墨運堂の商品をぜひお試しください。
また、墨づくりとお客様に対する真摯な姿勢は、奈良の「永楽庵」「墨の資料館」設立につながっています。
「永楽庵」は言葉では伝えることのない書き味や色を実際に試していただき、よりお客様が求めている商品を選ぶことができるように作られた施設です。
また、「墨の資料館」ではに墨の型入れ作業の見学や、握り墨体験を行うことができ、書道文化を今なお多くの方に伝えています。
墨運堂が長年の膠の研究により理想の墨造りで形になった「墨」を用途別に分類してご案内します。
日本の墨は十五g(四匁)を1丁型とし、この倍数によって2丁・3丁・5丁型と大きくなります。
中国の墨は1丁型600g(1斤)を基準としているため、1/2・1/4から最小1/64まであり、数字が大きくなるほど形は小さくなります。
墨の形は一般的に長方形が実用向きですが、永い歴史の中で多種多様な形式が考えだされ、今でも変形墨として残っています。
現在も変型墨は記念墨として製造されています。
墨の種類 | 採煙方法 | 煤の特徴 | 墨色の特徴 |
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松煙 | 大きな空間で原料を直接燃焼させて煤を採取する。 粒子の大きさは採煙する場所によって異なる。 |
油分が少なく、不均一な粒子の集合体。粒子径:30~400nm 青墨は大きな粒子に灰分が混ざることで発色する。 |
粒子径が大きく、大小が混在して乱反射を起こし、 吸収性と厚みのある黒になる。 |
油煙 | 皿の油に灯芯を立てて燃焼させて煤を採取する。 粒子の大きさは灯芯の太さで決まる。 |
焼き締められた硬く均一な粒子の集合体。粒子径:15~80nm | 粒子径が小さく、均質に分散して正反射を起こし、 上光りを伴った上品な黒になる。 |
墨には油煙墨と松煙墨の2つの種類があります。どちらも原料は植物性の「煤(煤)=炭素」ですが、
油煙は油(主に菜種油)を含んだ木片を燃焼させて煤を採取するのに対し、松煙は松の油分を含んだ木片を燃焼させて採取するため、墨の質が変わってきます。
また、その採煙方法が大きく異なりその差異は一層大きくなります。従来和墨では油煙墨が高級で、松煙墨はその次と位置づけられていました。
おそらく、これは昔、原料となる油が高級品であったからではないかと思われます。
墨色で考えたときには松煙墨は作品によっては重厚さがあり、年代が古くなるにつれて墨色も変化し、濃淡の自在もあって面白いところもありますので、違いを楽しんでいただくと良いでしょう。
墨液には使用する原料の違いによって「天然膠系」と「合成糊剤」に分類されます。
それぞれの特性をご理解いただき、目的に合った墨液をお選びください。
種類によっては表具に向かない墨液もございますので、表具をされる際は墨液の選び方についてもあらかじめご注意ください。
墨液を種類別でお選びいただけます。使用する原料によって「天然膠」か「合成糊剤」に分類されます。
目的に合わせた墨液をお選びください。
墨運堂の代表商品をご紹介いたします。
固型墨のもつ書き味、のび、紙への浸透性、表具性をすべて備えた墨液として多くの方に選ばれています。墨色は紫紺系の純黒で、普通・中濃墨・濃墨・超濃と幅広い種類があり、お好みの濃度をお選びいただけます。漢字・調和体の練習作品作りにお使いください。
書遊Onlineで人気の墨運堂商品を紹介します
文化2年(1805) 墨屋九兵衛が奈良市の餅飯殿(もちいどの)において屋号を御坊藤(ごぼどう)と称し、墨の製造を始めました。明治に入り、屋号を松井墨雲堂と改称し、その後明治33年に松井墨運堂と改め、奈良市後藤町に移転。昭和25年「株式会社 墨運堂」を設立。昭和36年工場を西の京に移転拡張し研究室を設置。昭和46年東京営業所設置。昭和51年本社を奈良市杉ヶ町へ移転し業務を拡張しました。その後、アメリカ・ニューヨークに米国墨運堂を設立。昭和58年東京店に昇格し台東区浅草橋に移転。昭和60年札幌営業所開設。平成元年福岡営業所開設。平成4年東京店を松戸市に移転。平成6年西の京工場の改築、新工場と「墨の資料館」の完成。隣接地に大和の工芸品を一堂に集めた職人長屋「(有)がんこ一徹長屋」のオープンしました。
墨運堂の社歴/沿革 | |
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文化2年(1805年) | 初代 角屋九兵衛により奈良餅飯殿において、屋号を「御坊藤」と称し、墨屋を創業。4代目墨屋藤七が屋号を「御坊藤」から「松井墨雲堂」とし、さらに「松井墨運堂」と改称。 明治30年前後に北魚屋西町から後藤町に移転。 |
昭和21年 | 7月8代目松井茂雄が復員。墨屋を再開。 |
昭和25年 | 8代目松井茂雄が「株式会社 墨運堂」を資本金50万円で設立。 |
昭和27年 | 日本で初めて書に使える練り状の墨を完成させ、「墨の精」練墨として発売。 |
昭和29年 | 淡墨系液体墨の開発。「墨の精」条幅用として発売。 |
昭和34年 | 淡墨系の美しい墨「大和雅墨」シリーズの発売。 |
昭和36年 | 製造工場を奈良市六条町(西ノ京)に建設。世界で初めてのそのまま使える書道用液体墨「墨の精」墨液を発売。 |
昭和39年 | 製品の品質向上及び新製品開発のため「研究室」を設置。 |
昭和40年 | ポリエステルフィルム用水性インキ「ペネラック」(修正液)を開発。特許取得。 |
昭和41年 | 「東京事務所」を東京都港区高輪に開設。 |
昭和42年 | 「ペネラック」の発明特許に対し近畿地方発明表彰優秀賞を受賞。 |
昭和45年 | 資本金を760万円に増資。愛知県にて研究成果や新製品の発表会を兼ねて「墨展」を開催。 |
昭和46年 | 社員独身寮を奈良市六条町に建設。 |
昭和47年 | 作品用墨液「玄宗」シリーズの発売。 |
昭和48年 | 「東京事務所」を営業所に昇格し、東京都千代田区麹町に移転。 自動墨磨機「KT型」を発売。中国貿易(唐筆、唐硯などの輸入販売)を開始。 |
昭和49年 | 流通倉庫を工場内(奈良市六条町)に増設。資本金を1700万円に増資。優良法人に認定される。 |
昭和50年 | BOKU-UNDO U.S.A INC.をアメリカ合衆国ニューヨーク市に設立。 |
昭和51年 | 本社ビルを奈良市杉ヶ町に建設。総務部・経理部・営業部を置く。資本金を2600万円に増資。 |
昭和52年 | 「研究室」を工場内に設置、同時に「企画開発部」と改称。資本金を3000万円に増資。 |
昭和54年 | 優良法人(2回目)に認定される。 |
昭和58年 | 東京都台東区浅草橋に墨運堂ビルを購入。東京営業所を東京店と改称。 |
昭和59年 | 優良法人(3回目)に認定される。 |
昭和60年 | 「札幌営業所」を北海道石狩郡石狩町に開設。 |
昭和61年 | 百選墨50種完成記念墨「草龍」を発売。 |
昭和62年 | 合弁会社「(株)韓国墨運堂」を韓国ソウル特別市に資本金25万ドルで設立。 建築用墨汁「スーパーかせん墨液」の発売。 |
平成元年 | 「福岡営業所」を福岡県福岡市博多区美野島に開設。 |
平成2年 | 「東京店」を千葉県松戸市きよしヶ丘に新築移転。優良法人(4回目)に認定される。 |
平成4年 | 9代目松井重憲が代表取締役会長に、松井茂浩が代表取締役社長に就任。 |
平成5年 | 仙台出張所を宮城県仙台市宮城野区燕沢に開設。 |
平成6年 | 西ノ京工場を新築改築。工場敷地内に「墨の資料館」(有)「がんこ一徹長屋」を開設。墨づくりの技法を活かした樹木の保護剤「キニヌール」を発売。 |
平成7年 | 優良法人(5回目)に認定される。 |
平成9年 | 「百選墨」のNo.100「龍鳳」、百選墨100種完成記念墨「鶴」の発売。 |
平成10年 | ホームページ開設。容器などを内製化(成型機の導入)。 |
平成12年 | 株式会社墨運堂 設立50周年を迎える。「50年誌」の発行。設立50周年事業として4月第1回「墨展」を福岡で、9月第2回「墨展」を札幌で開催。 |
平成13年 | 福岡営業所を福岡県福岡市博多区博多駅前に移転。 4月第3回「墨展」を名古屋で、10月第4回「墨展」を東京で開催。 高齢者雇用努力に対し、厚生労働大臣の表彰を受ける。優良法人(6回目)に認定される。 |
平成14年 | 5月第5回「墨展」を大阪で、10月第4回「墨展」を広島で開催。 |
平成15年 | 5月第7回「墨展」を仙台で開催。 |
平成18年 | 優良法人(7回目)に認定される。 |
平成20年 | 本社(杉ヶ町)を西ノ京工場内に移転、製販一体による経営効率化を図る。「ゆび筆」が経済産業省の地域資源活用新事業の認定を受ける。 |
平成23年 | 優良法人(8回目)に認定される。 |
平成27年 | 10代目松井昭光が代表取締役社長に就任。 |
「墨の資料館」「がんこ一徹長屋」を本社内に併設し、墨の製造工程などの展示、奈良の伝統産業の紹介を通じて墨の普及に取り組んでいます。
また、墨工場の見学、型入れ・にぎり墨体験(職人の派遣)、墨の展示会、墨の講習会(講師派遣)など教育現場での啓蒙にも力を入れております。
墨運堂「墨の資料館」では、にぎり墨の体験ができます。
・費 用:¥1,000~3,000/1丁(税別)
・期 間:毎年10月~4月(冬季)
※その場で造った墨はそのままお持帰りできるタイプと、後日桐箱に入れてお送りするタイプが有ります。
乾燥後(約2カ月後)は書道墨としてお使いいただけます。
※にぎり墨体験は事前に予約が必要です。
書遊Onlineの読み物でご紹介している墨運堂に関する記事を集めました。
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