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掛軸を扱う時の注意点

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掛軸を長く楽しむために抑えておきたいポイント

掛軸は湿度が高いときは空気中の水分を吸い、湿度が低くなるとその水分を空気中に吐き出しながら常に呼吸をしています。
周りの湿度や温度などの影響を受けやすく、環境に左右されやすいものですので、掛軸の取扱いには配慮が必要となります。
大切な掛軸ですから、長く楽しんでいただきたく、作品を保護するための方法をご紹介いたします。
ぜひ掛軸のある生活をお愉しみください。

掛軸の注意点

掛軸をどう扱えばいいのかわからないものです。
掛軸は大切に取り扱っていただけると永く良い状態で作品を残すことができ、掛軸のある生活を愉しんでいただけることに繋がります。
掛軸がお手元に届いてからの取り扱い方法について、基本的な扱い方からご紹介します。

取り扱い方法

掛軸を持つ時は必ず軸先を持つ

掛軸が掛けられた状態の時は必ず「軸先」を持ってください。
作品部分はとてもデリケートです。不意に汚れが付着したり、誤ってモノをぶつけてしまうことがないように、慎重にお取り扱いください。
掛軸は一旦折れると元に戻りません。
掛軸が折れないように二人掛かりで取り扱うようにしましょう。
二人で掛軸を取り扱う際は、一人は「掛緒」と「八双」を持ち、もう一人は両手で左右の軸先を持ち、掛軸全体がねじれたり折れ曲がったりしないように注意します。
また、濡れた手では掛軸を触らず、清潔な手で触るようにしましょう。
掛軸を濡らしてしまうと、シミなどの原因となります。

飾り方

掛軸は周りの環境に影響を受けやすく、とてもデリケートなものです。
掛軸を飾るのに適した場所、適さない場所がありますので、いくつかのポイントについてご紹介します。

高さの調整にはざいを使用する

掛軸を掛ける金具や釘から距離のある位置に掛軸を掛ける時は、「巻緒」で掛けるのではなく、必ず「自在(じざい)」を使用してください。
自在とは、掛軸を掛けるための壁側の金具や釘と掛軸の掛緒との距離を調節して掛軸を掛けるためのもので、高さを段階的に調節でき、特に丈の短い掛軸に重宝します。
自在の高さ調整は、掛軸が掛かっていない状態で行ってください。

掛軸を掛ける金具が天井近くの高い位置にある場合など、そのまま掛けてしまうと掛軸が上に吊り上がったように見えてしまい、不自然な飾り方になってしまいます。
また、巻緒は掛軸を巻くための紐ですが、この巻緒で長さ調節をして掛軸を掛けると、掛軸の重量に耐え切れずに掛軸が落ちて折れ目がついてしまう可能性があります。
ぜひ自在をご利用ください。

高い位置に掛軸を掛ける時は「はず」を使用する

手が届かない位置に掛軸を掛けるときは、必ず「はず」を使用してください。
はずは掛軸を安全に掛けたり外したりするために使用するの道具です。
矢筈を掛緒に引っ掛けた状態で持ち上げると、高い場所へも掛軸を無理なく掛けることができます。掛軸を外すときも矢筈を使用します。

しまい方

巻く時は耳と耳を合わせ、掛緒を締めすぎない

掛軸を巻く際は、左右の軸先を両手で持ち、ゆっくりとやさしく巻き上げ、巻緒で巻いて掛軸を留めます。
掛軸を巻く際の注意点は、強すぎず緩すぎず、両側面に凸凹が起きないように巻くことで、掛軸全体を空気を含んだようにやわらかく巻き上げることができます。
強く締めるように巻いてしまうと、掛軸を掛けた際の掛軸全体の反りへと繋がります。

また、巻緒も掛軸が解けない程度にやさしく巻くようにしましょう。
巻緒をきつく巻くと、掛軸の中心辺りに紐で締めた凹みが発生してしまいます。
ゆっくりやさしく取り扱いをお願いします。
「掛軸の巻緒の結び方」もぜひ練習してみてください。

掛軸を箱にしまう際の注意点は、ひな人形や着物などと同じ感覚で、湿気を含んだ状態でしまわないことが大切です。
掛軸をしまう際は、2〜3日湿度が低く続いたカラッと晴れたの10時〜15時までの間に毛はたきなどで埃を払った上でしまいましょう。
掛軸をしまう箱は、耐火・調湿・腐食・防虫に効果のある「桐箱」が最適で、さらに掛軸用の桐箱には「軸枕」がついているため、桐箱の中で掛軸が浮かんだ状態で保管することができます。
また、桐箱の中に「「防虫香」」を入れると更に安心です。
掛軸をしまった箱は、高温多湿を避け、空気の入れ替えを行う頻度が高い部屋のタンスの上や桐ダンスの中に保管しましょう。

展示の環境

掛軸は周りの環境に影響を受けやすいデリケートなものです。
掛軸は床の間に掛けるだけではなく、壁などにも掛けることもあります。
掛軸を掛けるのに適した場所、適さない場所についてご紹介します。

急激な温度変化は避ける

掛軸は湿度や気温の影響を受けやすいものです。
極端な温度や湿度変化を起こしにくい環境に展示・保管することが大切です。

直射日光は避ける

直射日光は掛軸を傷める原因になります。
長時間直射日光が当たると掛軸が劣化しますので、室内であっても日光が当たらない場所に展示してください。
また、反射光にも直射日光と同様の注意が必要となります。

エアコンなど風が当たりやすい場所での展示は避ける

エアコンの風を直接受ける場所は、掛軸が極端に乾燥しやすくなるため注意が必要です。
人が行きかう通路のような場所への展示も注意が必要です。
掛軸が揺れることで、場合によっては落下する危険があります。また掛軸の揺れで軸先や壁が傷つく可能性があります。

突風には注意する

部屋の空気の入れ替え時など、場合によっては突風が入り込むことがあります。
突風によって掛軸が激しく揺れたり、折れたり、落下するようなことに繋がる可能性があります。
風の出入りが激しい場所は特にお気を付けください。

四季折々に掛け替える

掛軸は一つのものを長く掛け続けると、掛軸の痛みが早まると言われています。
春夏秋冬、お正月や節句など、四季折々で掛軸を掛け替えることが掛軸を愉しむことや掛軸の長持ちにも繋がり、生活をも豊かなものにしてくれます。
季節を楽しむように掛軸を掛け替えて愉しむことは掛軸にとっても大切で、掛軸を定期的に空気に触れさせ、虫干しすることで湿気の除去や虫食いやカビから防ぐことができます。
桐箱に保管している場合でも、掛軸は年に数回程度箱から出して、点検と虫干しをすることをおすすめします。
虫干しをすることで湿気をとり、大切な掛軸を虫食いやカビから防ぐことができます。
掛軸をしまう際は、「しまい方」を参考にしてください。

保管方法

掛軸は長い間ずっと掛けっぱなしでも部屋の埃や日焼けなどで劣化しやすくなってしまいます。
定期的に掛け替える方が掛軸を長持ちさせることにもなりますから、正しく保管することが大切です。
どのように保管すればいいのかについて押さえていただきたいポイントをご紹介いたします。

ジメジメした場所では保管しない

掛軸は湿度や気温の影響を受けやすいものです。日本では特に梅雨時期など湿気が多い季節があります。
ジメジメした季節は特に注意が必要ですが、ご家の中でもジメジメした場所は掛軸の保管には適していません。
床の間の天袋など、なるべく高い位置がいいかもしれません。ご自宅の中でも日の当たらない湿気を避けた場所を選んで保管してください。

ビニール袋に入れて保管しない

掛軸を保存する際に、ビニール袋を使用しないようにしてください。
ビニール袋に入れてしまいますと、掛軸は呼吸ができない状態となってしまいますので、湿気がこもって放出されにくく、状態によってはカビの原因にもなってしまいます。

収納箱には表具専用の防虫香を入れて保管する

紙箱でも桐箱でも、箱に入れて保管する時は、虫食いを防ぐために防虫香を入れておくことをおすすめします。
独特の香りで虫を寄せ付けないように掛軸を守ってくれます。
掛軸の保管に使用する場合は、必ず表具専用の防虫香をお使いください。※
※表具専用でない防虫香は成分が異なり、掛軸に影響を及ぼす場合がございます。

表具専用の防虫香は書遊Onlineでもお買い求めいただくことができます。

防虫剤はこちら»

和紙などに包んでから箱に入れて保管する

掛軸を箱に入れて収納する時は、和紙などに包んでから箱に入れると、掛軸の保護にもなりますが、和紙は保管時の湿気の調整の役割も持っています。
空気中の湿気を吸ったりはいたりすることのない洋紙などは向いていません。
和紙が手元にないという場合、万が一のインク汚れを気にされない方であれば新聞紙でも代用は可能です。
書遊Onlineの表装サービスでお仕立てされた場合は、和紙で包んだ状態で箱に入れてお届けいたしますので、ご安心ください。

より大切に保管したい場合は桐箱を使用する

桐箱というのは昔から虫を寄せつけない収納箱として利用されてきました。
また桐という木材自体に防湿効果もありますので、大切に保管したい場合は、桐箱に入れて保管するのが安心です。
桐箱そのものが虫を寄せつけにくいため、大切な掛軸ほど虫食いなどが起きないように気を付けたいところです。
桐箱自体に防虫効果がありますが、表具専用の防虫香を入れておくとより安心です。
桐箱は軸の幅に合わせて様々なサイズを販売しておりますので、合わせてご確認くださいませ。

作品保存(桐箱)の商品はこちら»

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