固形墨というのは、非常に歴史も古く、現在でもその種類は多岐に渡ります。
写経に適した写経用墨はどういった特長があるのでしょうか?また他の墨との違いはあるのでしょうか?
どなたでも疑問に思われる点について、詳しくご案内していきたいと思います。
写経には通常よりも墨を磨った時の黒色が濃く、艶があり、伸びがあるのもが適しています。
墨を濃く磨ることはどの墨でもできるのですが、墨を濃く磨ると一般的には粘りが出て書きづらくなります。
濃く磨りたいけれども粘りが出てしまうというのが写経では難点になってしまいます。
濃く磨っても粘りにくい特長を持っているのが写経墨。"伸びが良く、光沢に冴えのある漆黒の黒”―これが写経に適した写経墨だと言えます。
写経をされる場合、墨液よりもできるだけ墨を磨っていただきたい…。これが私達の願いであります。
墨液を使えば、「書きたい時にすぐに書ける」という利点はあります。
しかし墨の薫り・墨色の艶・墨の伸び・墨の定着度と様々な点で「墨」よりも劣ってしまいます。
写経はただ経典を書き写すというだけではなく、一文字一文字仏の教えを実践する行為ですから、上質の墨と上質の硯を用いてまずゆっくりと心を静めてください。
上質な墨を得るためには、力を入れずゆっくり墨を磨ることが大切です。
墨をゆっくり磨りながら心を落ち着け、心を込めながら古くから尊いものとされる写経を行いたいものです。
墨にも様々な大きさがありますが、写経用の墨は小型で上質のものをお選びください。
小筆で書きますから、そこまで大きい墨は必要がありません。
墨は生きものです。最も湿気を嫌います。
墨を磨ったまま簡単に拭き取っただけで保管してしまうと、墨に含まれた水分が乾燥してひび割れを起こしてしまいます。
少しでも水分が墨に残った状態ですと、ひび割れの原因となってしまいます。
墨を使用した後は、必ず乾いた布や紙などで十分に水分を取り除き、直射日光の当たらない場所で乾かした後に桐箱などに入れて保管してください。
墨を桐箱にしまうときは、和紙で包むことが最良の保管方法です。
写経を行うときにも出来る限り墨を磨っていただきたい理由が2つあります。
一つは古い写経や文献などは全て墨を磨って書かれていたことにあります。
現在でも博物館などでは当時の肉筆を目にすることができますね。
古いものがなぜ現代でも残っているのでしょうか?それは墨にあります。
墨には、防腐・防虫・劣化を長年に渡って保護してくれる「煤(すす)」や「膠(にかわ)」が使われています。
この膠が紙の奥まで浸透することによって、長期保存に耐えられる作品になるのです。
古い作品の場合、墨で書かれた部分以外の余白には虫食いの痕があるものがよく見受けられますが、理由はそういうことです。
二つ目には、墨には「香料」が入っているということです。
墨の原料の一つである「香料」は、「膠(にかわ)」のにおいを消すために用いられているのですが、その香りには人の気持ちを落ち着かせてくれる作用があります。墨に使用される「香料」は西洋で使用される刺激的な香りとは異なり、神経を集中させたり、イライラを抑えてくれる効果があります。
単に文字の練習のための写経であれば、わざわざ墨を磨らなくても・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
写経は一つ一つの文字に仏が宿る高尚な行いですので、墨液などは使用せず、墨を磨ることで心を落ちつかせ、心を込めながら行っていただきたいのです。
墨の幽香な香りを楽しみながら、写経に向かう時間を味わっていただきたいものです。
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