写経は、古くから人々に愛され 手軽に出来る書写技術の学習の素材としても高い価値のあるものとして多くの人が学んでこられました。
「気持ちがシャキッとする」「すがすがしい気分になれる」と写経を体験する方が増えており、特に女性を中心に人気が出てきています。
写経の目標は、清浄心を養うこととして、仏教の経典を書写する、いわゆる修行として行われてきました。
写経用紙に向かって文字を写すことによって邪念を払い、本来持っていた心の安定を取り戻し、清らかな自分の心に気づく機会となります。
気軽に始めれる写経は、各分野で高い効果があるといわれています。
心の悩みがすっきりするといったことから、認知症予防、字が綺麗になる、姿勢がよくなるといったように、実施者に様々な変化が起きます。
オセロゲームやくるみにぎりなど、これまでにも高齢者の脳活性化に役立つとされてきた160種類の作業で効果を測定した結果、写経が脳の活性化に大きく役立つと分かりました。
最近の研究で、写経は認知症の予防や改善策として、脳を活性化させるのに効果が高いことが川島隆太・東北大学教授と学研の共同で分かっています。 オセロゲームやくるみにぎりなど、これまでにも高齢者の脳活性化に役立つとされてきた160種類の作業で効果を測定した結果、写経が最も脳の活性化に役立つと分かりました。
文字を書くことに集中できるようになれば、脳内ではベータ・エンドルフィンという脳内物質が分泌されます。 これはマラソンをした時などにも分泌される物質です。 この物質は志向をポジティブにし、体の免疫力を高めてくれるということが知られています。 また、写経を行う際の清浄な部屋や墨の香りなどが心身をリラックスさせ、ストレス解消にも効果的です。
最近美しい字を書く「美文字」の女性が人気ですが、毎日続けることで、字がうまくなったり、姿勢が良くなる効果が期待できます。 美しい字を書く人は、人から信頼されやすく良い人格と思われる傾向があります。 姿勢よく美しい文字を書く訓練に、お子さんにもおすすめです。親子で一緒に始めるのも良いかもしれません。
写経では、よく「般若心経」が使われますが、そもそもどのようなものなのでしょうか?
「般若心経」は、「大般若心経」という600巻もある経典の内容を276文字でまとめたもので、日本人に馴染み深いお経です。
お釈迦さまの教えを形にしたものですので、作者名はなく、いつ頃にできたかのかは、はっきりしていません。
般若心経は7世紀に中国からインドへ渡った玄奘三蔵というお坊様が原文のサンスクリット語から中国語に翻訳したものがもとになっています。
中国語に翻訳されたものが、7世紀以降に日本に伝来したと考えらえています。
様々な効果がある写経ですが、やはり姿勢が良い、字が綺麗といったことは、よくて損することはありません。
すらっと姿勢が良い人は、明るい印象を与えますし、呼吸が深くなりリラックス効果が得られます。
姿勢が悪いと、体のバランスが崩れ、物事を正確に理解したり、集中して話を聞いたりすることができなくなるといわれています。 清く美しい姿勢は、人間の能力向上に関わる大事な要素のひとつです。
「字は人を表す」と言われている通り、手書きの文字からは、その人の人柄や気持ちが感じ取られますので、読み手の印象を左右することになります。 美しい文字からは、「知的」、「誠実」といった良いイメージを感じる人が圧倒的に多く、書き手の印象はよいものとなります。